温かい
上京して初めて迎えた冬。
「北国の出身だから寒いのには強いでしょ?」
よく言われましたが。
東京の冬の風の冷たかったこと。
乾いた北風は雪国のそれとはまるで違って、芯まで冷える気がしました。しかし今になって思うと外気の寒さだけでなく世間の荒波ならぬ世間の荒風に負けていたのかもしれません。あの時感じた寒さを年齢を重ねて思い起こすと、不安だらけだったあの頃の自分が浮かびます。
やわだったあの頃、随分沢山の方に助けていただきましたが。
中でもひときわお世話になった方が居て。東京のママって呼んで居ました。
最近はお目にかかる機会もなくなっていましたが、年賀状のやり取りだけは続いていて。”東京のママに今年こそ会いたいです。”毎回書いていた気がします。
いつでも会える気でいたのに。ずっと支えになってもらっていたのに。
突然の訃報。
今年はお世話になった方とのお別れが多いです。
コロナ禍で通常のお別れも出来ないし、まだ信じられない気持ちでいます。
これから迎える冬。未熟だった私を大きな愛で包んでくださったママ。
お別れの実感が無いので、ママを傍に感じてこれからの季節を過ごします。
温かい時間をありがとう。感謝で一杯です。