東京都世田谷区の鍼灸とマッサージ 弦巻鍼灸院 ブログ

あぐら

父は私には甘かった。
骨格の良く似た父が組んだ胡坐の中が、チビッコかった頃の私の定位置だった。
チビッコだった私は自分が愛されていることを感じ、やりたい放題のじゃりン子チエ状態だったと思う。めんこいなぁって言われ続けると、本人その気になるのが可笑しい。どんな悪さをしてもめんこだから自分は怒られない。年長のものが大抵叱られていて、その陰から舌を出すホンモノの悪ガキ×××。
そんな私が、父に一度だけ本気で怒られたことがあった。
職人だった父の大事な道具を手に取り、割ってしまったとき。
まあ外では職人肌でまっすぐで短気であったはずの父。矛先がこっちに向いて真剣に怒られていた時”あれれ・・おこってる!”コワさよりむしろキョトンとしていた自分を思い出す。
時が経ち、じゃりン子が大人になってからも
”こっちは大丈夫だから心配するな”っていつも言ってたのに、なんだか最近は弱気発言も出てきて。
”80も過ぎたし、しゃあないことだな”と凹んでいるから
あなたの娘も気付けばこんな齢なんだから、いつまでも時が止まっているとは思わないでよね。
明日は父の日。
あの頃父の胡坐の中はとっても広く感じていたけど、もう私が抱えてあげるほど縮んじゃったんじゃないだろうか。
『あ!父の日だ』って、想える親がまだ居てくれるってことをありがたく思う。

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