弥生
平成最後の3月が、終わろうとしています。
弥生。私の誕生月でもあります。
半世紀も前になるわけですが、母が臨月を迎えた頃。父が内臓系疾患で仙台の病院に入院していたそうで。”生死が危うい”とされ、大きなお腹で父に会いに行ったそうだ。雪深い山の中からそりに乗って駅まで移動したらしい。こんな時、周辺に居てくれた親族皆が力を貸してくれたそうで。そりを走らせてくれたのは本家の父さん。牽引するのはバイクって言っていた。後に母から聞いた話。そんな光景を想像するだけでワクワクドキドキ。
「きっとこの人は助からないなって思った・・・。」
(ふ~~ん。しぶとく生き抜いた父の生命力凄いね。)
「そうとも言う。会いに行った病床で”生まれてくる子には3月だから弥生ってつけてくれ”って言われだった。」
(へえ。でもなぜ弥生にならなかったわけ?)
「父の生まれ変わりみたいで、嫌だったから。」なるほど。父の名前には弥の字がついている。
(あのとき父がそのまま逝ってしまっていたら、私の人生大きく変わっていただろうなあ。)呟く私に
「ほんっとにおめだば、運がありったげ、あるもんだ。」
弥生ちゃんになりそこねたわけね、ワタシ。
毎年弥生がくると、母と交わしたこの会話を思い出す。
家族からは勿論、親族一同からの愛を一杯もらって育った秋田での昭和の時代。
大人になって歩んだ東京での平成の時代。
そして、もうすぐ始まる新しい時代
どんな道になるかわからないけど、もう少し頑張ろうと思う。
動きが
今日も寒いです。
先週、やはり気温が低かった日。
約半年ぶりに〇さまがおみえになりました。
「やっちゃいました・・・」動きが、あれれです。
〇さまは前回初来院の際もこんな動きでのご来院でした。
(腰ですか?)
「はい。。」
整理すると。
今回は「昨日掃除機をかけていて、グキッとなりました。あ!やった・・と。」
(前回の右腰、あれで落ち着きました?)
「はい、2回で平気になりました。」
拝見しますと、前回と同じように右側。原因になっているだろう脊椎の高さもほぼ一緒。
(冷やしませんでした?ちょっと前、結構寒かったですけど。)
「・・・そうですね、素足でいました確かに。」
春めいて日差しが暖かくなる今ぐらいの時期というのは、腰痛を繰り返している方でも油断してしまうんですね。足元が冷えると腰回りも冷えます。血流障害が起こりやすくなり、こんなふうになりますね・・・。
「子どもの卒業式が明後日あります…。参りました。」
そしてこの方は鍼灸治療がよく合っているようで。
一日空けて大事な卒業式の日を済まされてから、もう一度いらしてもらいました。歩いて入り口に向かう足取り、いいみたい。
「はい、無事に今日が終わりました。今回も、も一回やってもらえば大丈夫だと思います。」
ご卒業おめでとうございます。
緊急時に思い出していただけて嬉しいですが、ぎこちない動きになる前に思い出していただけると痛い思いをしなくてもいいかもですね。
干支一回り
桜満開宣言。今日は寒の戻りのようですが、花の持ちは良いでしょうね。いい季節を迎えました。
先日、なんと12年ぶりにご来院くださった方がおられました。干支が一回りしていることになりますが、〇さまのことはしっかり覚えております。
「2か月ほど前から肩に違和感があった。そのまま過ごしていたが、急に左の肩が動かなり、強烈な痛みを伴っている。整形外科を受診して石灰沈着性の肩関節周囲炎と言われている。痛み止めをもらい通院もしているが痛みが止む気配がない。どんな体位で寝ようとしても痛みで寝られない。」
〇さま、当時50代で働き盛りでした。
熱感はありませんでしたが左肩関節の動きは全くできない状態で、同側の肘部がやや赤く浮腫みがみられました。
消炎目的の鍼灸をさせていただき、三角巾で吊ってもらいました。
7日後に再来院。
「あの後3日ほどで痛みが大分減ました。」
外転、屈曲共に90度まで動きが可能になっていました。
更に7日後。
まだ肩関節前面部に圧痛はあるものの
「また動く範囲がひろがってきた感じです。」
180度近くまできました。
初診から20日後。
「日常生活に支障ないまでになりました。左を下にして寝られてます。」
計4回の施術で、終了させていただきました。
初めのお痛みがかなりつらそうで、とても印象深い症例でしたので12年前のことですがよく覚えておりました。
この度は別の主訴でのご来院ですが、弦鍼の事を思い出していただけて光栄です。
夜桜
昨日の日曜は久々に在宅。やり溜めたことを片付ける日に。
朝一で第三京浜、横浜新道、横横道路・・と40キロほど走り墓参り。帰宅して10時前。花が終わったミモザの木を剪定、メダカの入った水ガメの掃除。ベランダのプランターにほうれん草の種をまき。再び出て洗車待ちの列に並び。戻って台所で炊事。DIYショップにて花の苗購入。仕上げの庭の掃除。よく働いた。
庭の手入れをすると、手が荒れる。勿論手袋はするのだが、すぐ破ける。商売道具なので手を傷つけないように注意しているつもりでも、気付かぬうちに血が出ていることも多し。
仕上げに髪をカット。シャンプーしながら深い眠りに。
そんなこんなの一日を終えていつものウオーキングにでたら、
ご近所の〇さまご夫妻と遭遇。
「何やってんですか?」に(徘徊です・・・。)
「夜は危ないですよ。」に(気を付けます。)
「いや、職質うけないようにね。」→(ごもっとも。。)
”夜桜を観に”と仰る、画になるお二人とお話しできて嬉しかった。
いい一日でした。
咲き始めた桜も寒がる寒の戻りでしたが、これから益々華やいでくるでしょう。
3/26,27お休みを頂戴いたします。ぺこり。
寒さ彼岸まで
変化
「約3か月前から片方のふくらはぎがしびれ、次第に同じ側の臀部がしびれてきた。座っているのは平気だが歩くのが大儀。長く歩けない。」
50代の〇さま男性。初めてのご来院です。
「お医者様からは脊柱管狭窄症と診断されていて、投薬がされている。手術の話は望めば紹介してくれるだろうが、強くは勧められてはいない。できれば避けたい。」
脊柱管の症状を鍼灸で対処させていただくことは多いのですが、長い年月をかけて狭くなった脊柱管の症状改善には時間がかかる旨を説明させていただいて、施術を開始いたしました。
4日後に再来院。
「あの後2日間程はシビレが治まっていました。帰りの歩行が楽でした。」
施術後に変化が出たのは明るい兆し。
更に6日後。
「悪くはなってませんが効果がパッと出たかというと、そこまででもない感じ。シビレは治まってきたが痛い感じに変化した気がします。」
〇さまの下肢症状の変化を、今後も注意深くみていきたいと思います。
黄色く
車が汚れている。
花粉の黄色味が悲しい。
しかし洗車に行けない。
同じ悩みを、〇さまが共感してくださいました。
その〇さま曰く
「強い雨でも降ってくれたらねぇ。そんな雨の中、第三京浜あたりを突っ走ればいいだけなのに。」
なるほどですね。
しかしながら、降って欲しい時に程よい雨が降ってくれるわけもなく。
屋根付きのガレージに停めてある車をみると、垂涎ですワタシ。
もう6年
久しぶりにご来院の〇さま。お若い女性。
カルテを見直していると3~6回/年の頻度でお目にかかっています。
初診から6年経っていました。
主訴は「むくみ」。
生理周期の影響もうけやすいですが、その周期以外にもお疲れがたまってくると「パツパツになりツライ」とのことです。
この度は「昨年からいろいろありました・・・。ちょうど予約の電話を入れた時、こちらがお休みだったみたいで・・・。」嗚呼・・すみません。久しぶりにいらした方に言われる台詞。ほんと、ご迷惑をお掛けしました。
気付いたら20代だった〇さまも30代になっています。
「人生設計ってものもありますし、立て直していくものや積み上げていくもの・・・先を見据えて仕切り直す時期に来ています。」うんうん。
〇さまは、直後の効果が結構いい感じにでるようで。
「また、来ま~~す!」
来た時よりも元気な足取りで帰られる〇さまを、見送りました。
そ、生きてると色々あるよね・・。
次はサクラ
長く楽しませてもらったミモザも終わりを迎えた様子、次はサクラの番です。
サクラも近年では入学式でなく、卒業式の花になりつつあるようです。
周辺には大学も多いのでこの時期、春から新しい生活をするであろう学生さんとその親御さんの姿を目にすることが増えます。部屋を借りて家具や寝具をそろえているんだろうなあ。期待と緊張と入り混じった表情に、毎年のことなのですが胸が熱くなります。
上京した自分の目に映るもの全てが眩しく、ドキドキハラハラだったことが今でも鮮明によみがえります。
学生さんの気持ちもわかりますが親目線になった今、その親御さん寄りの心持ちに。
今でも手元に置く、古い通帳があります。どうしても、捨てられない。
当時、田舎から仕送りをしてもらっていました。「金がなくなったら電話をよこせ。電話代が無かったらコレクトコールでいいから。」コレクトコール・・・懐かしい。よく利用していましたこのサービス。
決して余裕があったとは言えなかったはずの実家からの送金。その時々の精一杯の金額だったんだろうなあと、記された数字をみる度に胸がギュっとなります。そもそもこの銀行、今存在しないけど。
サクラとフレッシュマンを目にする春。
親への感謝の想いが湧く季節でもあります。
孝行らしいことをしないまま今に至っていることに胸を痛めながら、今年も桜を眺めることになりそうです。なので桜はちょっぴり切なく映ります。
違いアリ
60代男性、〇さま。
初診は昨年のちょうど今頃。
”右肩の重苦しさ”が主訴でした。
”ツラくなった際に右肩前面の筋肉をつまむように圧をかけると少し楽になる”とご本人曰く。
その月は2回鍼灸をさせてもらいました。
その後はしばらく空き、また今年に入ってからご来院。
同じ主訴です。
「1,2月と月に1回やってもらっているからだろうか。前は気付くと手が辛い側をギューッと揉んでいたのだけど、最近は日常で肩の重苦しさを感じていないことに気付き。定期的に鍼灸をしていると違うものなんだね。」
感想を聞かせてくださいました。
ご本人的には”肩が・・・”だったのですが、頸からのアプローチをしています。
ご定年の時期が延びています。
「ゴールがどんどん遠くなっているよ・・」と嘆く声も多く聞きますが、
「可能な限りは社会の中に居たい」というお声も増えています。
生涯現役を目指す方も、早めのリタイヤで第二の人生をスタートさせる方も。
どんな選択をなさっても、輝ける60代70代80代・・・を過ごされるお手伝いが出来るとしたら、それは施術者にとっても大きな幸せだなあと感じています。