東京都世田谷区の鍼灸とマッサージ 弦巻鍼灸院 ブログ

限界

久しぶりにおみえくださった○さま。
まさかと思いましたが、障害物を乗り越えて以前の入り口だった方まで行かれたようです。
お入りになれずにさまよっておられるところを見つけて、やっとご対面できました。

ちょうど2年前(2012年)に4回だけ鍼灸をさせていただきました。
その当時40代だった○さま。
「腰が痛い。足がしびれる。少しの歩行で膝から下がしびれて、どうしようもない。」
いらした時をさかのぼること3年前(2009年)にバレーボールをしていて痛めた経緯があるそうです。
2010年に精査をして腰椎椎間板ヘルニアと診断されて、
変わらない痛みに耐えながら更に1年後の2011年、今度は脊柱管狭窄症との診断を受けたそうです。
2012年のご来院時には
”少し歩くと正座の後のしびれのような感覚がある。”が主訴でありました。
知覚、腱反射共に問題なし。筋の低下も認められず。膀胱直腸障害もありません。
この年齢で脊柱管狭窄症と言われた方は、これまでお目にかかりませんでした。
下部の腰椎、並びに仙椎部の血流改善を目指して鍼灸治療をしました。
地方にお住まいだった○さまが、次にいらしたのは11日後。
(いかがですか?)
「治療の後2,3日は良かった。でも、今は元通り。」
2か月半の間に4回鍼灸を行いましたが、その度に上記のやりとりをしました
その後で、○さまがそれまで躊躇していた手術を受ける決断をされた旨を、ご家族からお聞きしました。

この度おみえになった○さま、また別の主訴です。前のことをお聞きすると、
「腰も足もあれ以来、嘘のようです。手術して、よかったようです。」
手術という選択が、正解だったと思われる症例でした。
効果が時間はかかっても段階的によい方に向かう場合と違って、
日をおくと全く元に戻ってしまうような場合には鍼灸治療の限界といえるのかもしれません。

○さまの場合、年齢的にお若いということも功を奏した気がしております。

現在はおみえになっていない方のことを思い出すことは多いのですが、
こんなふうに今のご様子を知り得ることはとてもありがたいことです。

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