
リモコンカー
 田舎の親族の繋がりって、濃いと思う。
 特に私が育った環境がそうだったのかもしれないのだが。
 なにかイベントがあると、同じ顔が速攻で集まってくれる。
 冠婚葬祭はもちろんのこと、田植え、タケノコ採り、海水浴、稲刈り。
 そんな当たり前に感じていたものが、離れてみると随分と希少で有難いものだったのだと大人になって知る。
 幼かった頃、大人に囲まれて過ごしていた。
 その時期親族が集まる中では一番チビッコだったので、随分みんなにかわいがってもらっていたと思う我ながら。
 ほぼ男の子のようだったワタシ。見た目も中身も。
 しかし一応ジョシってことだからであろう、お人形さんやピンクっぽいお土産をもらうことが多かった。
 そんな中、ある伯父だけはわかってくれていたようで。
 ワタシに!とくれたお土産がこの上なく素敵で。
 真っ赤なポルシェのリモコンカー。
 ほんっとに、心から嬉しかったなあ・・・。
 お転婆でどうしようもなくじゃりン子だった私をよく理解してくれて、愛を注いでもらっていたと思う。
 その伯父が、旅立ちました。
 遠くから、手を合わせて。ありがとうを言っております。
 届いてくれるかしら。








