一家に
少し前の週末。
身内のものが腰を痛めて。
普段は鍼灸施術を避けている者だが、背に腹は代えられぬと判断したようで。
「鍼を、頼める?」
はいはい。休日だけどしょうがないね~。
——-ちょっと恩着せがましく言うあたりはお決まりで。—-
終えて、さっきより動きはスムーズになったようだ。
翌日、帰宅して再びの依頼。
流石に泣き言を言わず、こちらの思いのままさせてくれる。
「ああ、良いようです。ありがと。前に”一家に一人鍼灸師”って言ってたけど、実感するわ・・・」
そうそう、そのセリフ。よく言ってたなあって思い出す。
一家に一台!の家電じゃなくて。
こういうことが身に沁みるようになったということね。