背負う
いつもしっかり夢をみる。
リアルな夢が多いので、目覚めてからも感覚が残る場合がよくある。
先日の夢は、赤ん坊をそうするように母を背中にしっかりと背負って遠くまで移動するものだった。
大きな母が、なぜか私の背中にすっぽりと入ってしまうほどに小さく小さくなっていた。
お尻に手を当てて(大丈夫?)と何度も聞いていた私。
いくらなんでも窮屈だろうと思われるのに、背中で心地よさ気の母。
小さかった私が母の背で感じていたであろう感覚なのだろうか。
目覚めても背に感じたぬくもりと、手の感触がしばらく消えない。
あの夢の意味するものはなんだったのかなあと、ぼんやり考えていたが
たまらず持った受話器。 (元気?)
「あららぁ…そりゃあ重たかったべな。」電話の向こうの母はいつもの数倍ケタケタ笑った。
ちょっと、救われた思い。