便秘
お通じが快適でなくなるものの、代表的なものといえば便秘といえそうである。
便秘とは、大腸内にその内容物が停滞し、通過が遅延した状態をいう。
排便がないことで苦痛があったり、排便があっても残便感があったりするものをいう。
普通は摂取した食物の残渣が2~3日以内に排出されない場合を目安としているが、
実際には排便回数が異常に少ないとき、乾燥した便が出るとき、排便後も便の停滞感があって様々な障害を訴える場合などをいう。
便秘は
①器質性便秘と②機能性便秘とに分けられる。
①の器質性便秘は、腸の病気の兆候として起こるもの。
②の機能性便秘は、一過性のものと習慣性のものに分けられる。
*一過性のものは、環境の変化がある旅行などで一時的に起こるもの。
ダイエットなどでもおこりえる。生活が元に戻ると自然に治まる。
*習慣性のものは慢性便秘ともいわれて、弛緩性、痙攣性、直腸性がある。
・弛緩性は、腹筋が弱いことで、便を押し出す力が弱くて起こるもの。
体質的なもの、中枢神経系障害、過度の交感神経緊張状態の持続、低栄養、
全身衰弱など多くの要因によって起こるとされる。
・痙攣性は、大腸が運動しすぎるために痙攣を起こし、便の通りが悪くなるもの。
副交感神経異常興奮などによっておこりやすくなる。
・直腸性は、直腸の神経が鈍くなって便意が起こらなくなってしまうもの。
直腸に便が移送されて便意を生じても、常にその便意を抑制していると、
便意を生ずる圧でも便意を生じなくなり、直腸内に大量の便が蓄積されて便秘となる。
このタイプが、日本人の便秘の大半を占めるとされている。
交感神経系も副交感神経系も、極端に興奮した状態がよくないことをあらわしている。