ご近所で枇杷の実がたわわに生っているのを目にして。
毎年、枇杷の実を見ると思い出すことがある。
もう30年以上も前のことだが、
整形外科に勤めていたことがあり、担ぎ込まれた男性が居て。
レントゲン室に案内しながら会話を交わした。
脚立から落ちたとお聞きし、なぜ脚立に上られたんですかと。
明治のお生まれで、お着物姿の品のある男性だった。
口数は元々多くなさそうな、その男性が
「庭の枇杷があまりに旨そうだったから・・・」とポツリ。
嗚呼・・・
きっと見事な枇杷だったんだろうなあ・・・
枇杷の木に生る、オレンジ色の実を見るたびに
あのご老人を思い出す。